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「色彩」を勉強するためのやつ、か、文章貯めとくやつ
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掌編

ショートショートをつくろう その2

「有機物の秘密」

その人は、お昼ご飯のカツ丼が何キロカロリーあるのかを、
バッグから取り出した計測器を使い、一の位まで量りだし、
それを手帳にメモし、
ついでに食事の時刻を百分の一秒刻みで計り、
やはりそれもメモし、
ようやく手を休めると、
これで何時、
誰に、なにを聞かれても安心だぞと、
椅子にふんぞり返った。

「ふぅ。
これから2時間と16分、33秒29、
暇があるけど、どうしましょう?」

と、聞かれ、私は、
「うん、33秒はとりあえず、何もせずくつろぐってのはどうだろう?」
と言う。

「いいわ、待ってね。今計るから」
そう言って、その人は急いで時計を見、カウントし始めた。
そして、ペンをとり、手帳を持ち直す。

「ねぇ、ところでその手帳さ、僕にもみせてくれないかな」
と私が言うと、

「それはダメだわ、約束したでしょ。
お互いの秘密には立ち入らないって」

「う、、、うん。」
そうだ確かに、私たちは個人で秘密を持っていいことになっていた。

「、、、んー、ハイ、33秒経ったよ。
わかった!じゃあさ、
南町のデパートに行って買い物しましょ」
そう言ってその人は、手帳を開き、
「あった。これね。
えーと、ここから駅までが598歩だから、次の発車には間に合うわね。
で、そこからデパートまで2つの横断歩道と、
12,505メートルの遊歩道があって、、、」

途中から私は耳を遮断させて、その人の唇の動きを追った。
その人はそれからしばらく唇を動かし続ける。

私は、テーブルについた水滴を拭き、
空いた皿を重ね、
置かれていたメニューを、背の高い順に並び替え、

「ねぇ、そんなこといちいち気にするなんて、
あなたってロボットみたい。」

そう言われて私は、自分の顔の人工皮膚が捲れていないか、
すばやく確認した。
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