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光線

「色彩」を勉強するためのやつ、か、文章貯めとくやつ
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掌編

S.S.5 囚人



網目、で、視界が覆われている。
おそらく、それのせいで、
ここは檻の中だったという知覚が起こる。

空気は湿潤、それでいて無臭で、無味。
音は、
そう。音がさっきから聴こえている。
あるいはそれのせいで、ここが檻の中だと、知覚したのかもしれない。
音は、とても規則的で、と形容したい。

「やぁ、お嬢さん。気分はどう?」

「まだ喋れないのかい?
まぁ、いいよ。無理はしなくても」

規則的、と言うのは 、
それが何度も何度も繰り返された音だからで、

「ただし、喋ってくれないと、
君の罪はますます重くなるんだよ」
「!・・・罪ですって?
私が何の罪を犯したっていうの!」
と、反射的に私は言う。

「アッハッハッハッ・・・・」

彼の、この高笑いを、私は何度聞いたのだろう。

「やれやれ、君は芝居が上手いようだね。
でも、もう観念した方が良い。
証拠の品はあがってるんだ。これ以上悪足掻きはやめなよ」
「ふん。
一体何の話しなのよ!
私は何もやっていないわ!」
と、私は言い、ここからしばらく間が空く。

「・・・」

この間を使って、彼、は静かに怒りを蓄えるのだが、
しかし本当に彼が怒っているのは、

「いいかげんにしやがれ!
化けの皮被った女狐が、、
さんざん男を誑かしておいて、よくそんなとりすませていられるなぁ。
お前みたいな奴は、処刑されるのがふさわしいんだぞ!」
「知らないって言ってるのが分かんないの!
あんたこそ、無知で頑固で汚らわしい・・・」

だんだん音が聞こえなくなっていく。音が出力されてないからではない。私達の感覚器官の問題だ。
それらは意味の無い音だから、
鼓膜を叩くだけ叩いて、私達の脳を刺激する事はない。

で、彼が怒っているというのは、多分、昨日行ったコンビニの、店員の態度が悪かった事、
とかだろう。


「はい、カット!」
あ!、そうそう。
この音だけ、聞こえればいい。

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